「失敗が怖い」は成長のチャンス。現場に求めたい“挑戦する姿勢”とは?
「失敗することを恐れるよりも、真剣でないことを恐れた方がいい」
これは松下幸之助さんの言葉ですが、私はこの言葉に出会ってから、研修の場や日々の仕事の中で、常に胸に留めるようにしています。
実際に多くの社員やスタッフと関わるなかで感じるのは、「うまくやらなきゃ」と考えすぎて、一歩を踏み出せない人がとても多いということです。
でも、私たちが本当に育てたいのは、“完璧な人”ではありません。
不器用でも、要領が悪くても、「やってみます!」と挑戦する姿勢を持つ人です。
たとえば、初めて担当を持った営業スタッフが、お客様との関係づくりに悩みながらも、一軒一軒丁寧に足を運び、失敗と向き合いながら少しずつ信頼を積み重ねていく姿。
決してスムーズではなくても、その真摯な姿勢こそが、お客様の心を動かし、結果につながっていきます。
私自身も、「やらずに後悔するくらいなら、やって失敗した方がいい」と何度も自分に言い聞かせてきました。
口だけで終わらせず、有言実行を貫くこと。
何より「言っていること」と「やっていること」が一致している人間であることを心がけています。
お客様の立場になれば、誰しも“誠実に向き合ってくれる人”を求めているはずです。
言葉は上手でも行動が伴っていなければ、信頼にはつながりません。
だからこそ、研修の中でも「正解を探す」よりも、「どう挑戦したか」「どんな姿勢で臨んだか」に焦点を当てていきたいと思うのです。
努力はすぐに成果にならないかもしれません。けれど、懸命に取り組む姿は、必ず誰かが見ています。そしてその努力が、やがて実を結び、大きな自信となって返ってきます。
チャレンジを恐れない人が増えること。
それが、組織の底力を支える土台になります。